社員が自分で学ぶために

史学、哲学書を読んでみよう!(東洋編)

ビジネスマンには東洋の思想は自己学習の対象として大変人気のあるカテゴリだ。大相撲では昇格の使者謁見の時に四文字熟語を述べる習わしがあるが、故事成語には漢字の故郷である中国で生まれたものは勿論、日本にしかないものもある。好きな言葉と聞かれてさらっと書けるのも見栄としてはいいかもしれない。

典拠になった書物をいくつか挙げてみよう。巧言令色、温良恭倹は、一番人気のある『論語』が典拠。儒家の孔子というと、お年を召した方は戦前の授業の修身を思い出して身の毛もよだつという方も多いが、実際の孔子は私生児から教師になった苦労人。

儒家の組み立てたものとは違う姿を持っている。教養として素読をさせる学校も多い。柔弱謙下、上善如水、これは『老子』。孔子が「恐ろしいお人だった」と言ってしまうぐらいであったと言われているが、生没年が不明で、伝説上の人物だ。

この老子の考えと並んで称されるのが荘子である。『荘子』には儒家を批判する言葉が出てくる。寓話が多く詠みやすくて面白い。三十六計逃げるにしかず、風林火山は『孫子』叔父である孫子と甥の孫ビン(ライバルに嵌められて膝から下を失ったための名)は司馬遷の『史記』に出てくる。

臥薪嘗胆、会稽の恥を注ぐ、死者に鞭打つは、叔父、孫子の時代のエピソード。この兵法を使った人は、おなじみ「塩を送る」の贈られ先、武田信玄、三顧の礼、諸葛孔明などである。

日本の文化の粋といえば国文学だが、紫式部『源氏物語』清少納言『枕草子』は押さえておきたいところである。和歌を読むのなら勅撰集のますらおぶり『万葉集』、手弱女振り『古今和歌集』から始めるのがよい。この二書の恋愛模様は生き生きして、特に万葉集の女性の可憐さに取りつかれ、研究を始める男性も多い。イスラーム社会を知りたければ『コーラン』オマルハイヤーム『ルバイヤート』、仏教を知りたい時は、解説書が多い親鸞『歎異抄』などが手に入りやすい。