社員が自分で学ぶために

史学、哲学書を読んでみよう!(西洋編)

古きを訪ねて新しきを知る。温故知新の精神は様々な恩恵を私たちの歴史に与えている。社員への訓諭に書物からの引用を用いるトップは多い。コンピューターになじんだ現代人にとっては、哲学や、史学などは面倒くさくて役に立たないものにうつることもある。しかし、社会人として身につけたものが無になることはない。

西洋の思想の筆頭として、まず聖書が挙げられるだろう。英語、ドイツ語、フランス語……ありとあらゆる言語に神を前提とした言い回しがあり、聖書の知識があるだけで、文学が読みやすくなる。例をあげると、タレントという言葉は、マタイ福音書のタラントン(当時の貨幣)の喩に端を発している。

聖書を読んでおくと読みやすくなる作家は『カラマーゾフの兄弟』などの作者ドフトエスフスキー、『失楽園』ジョンミルトン、『パンセ』パスカル、『神曲』ダンテ『ファウスト』ゲーテなどが代表例だ。『ナルニア国物語』の童話作家として有名なC・Sルイスは護教論者としても有名で、『悪魔の手紙』など有名なものを書いている。映画になった童話のライオンの死は、磔刑のキリストを髣髴とさせる。ヴォルテールの『寛容論』も信仰の問題と現実の事件が深く結び合わさっている。

西洋という我々の概念とは一種別世界の思考論理を支えてきた西洋哲学はギリシャのアリストテレスを皮切りに、現代にまでその流れを受け継いでいる。すべてを読み込むと時間がいくらあっても足りないので、歴史にでてくる程度のものを把握しておくとよいかもしれない。

『ヨーロッパ思想入門』岩田靖夫(岩波ジュニア新書)は、中高生向けだが、しっかりと書き込まれており、全体像を把握できる。実際に哲学書を読んでみるときのために何冊か書名を記しておく。岩波文庫から刊行されている。『ソクラテスの弁明』プラトン、『自省録』マルクス・アントニヌス・アウレリウス、『幸福論』ヒルティ、『絶望という病』キルケゴール。