社員教育の実例と資格

カウンセラー資格を取る管理職たち

昇進には、純粋な職務上の技能だけではなく上司、部下からの信頼、評判も査定されることが多い。突出して技量や成績のいい、しかし無愛想で対人に問題のある偏屈ものよりも、技能的にはそこそこでも人間関係が良好な人物の方が、上層部の覚えがめでたく、出世をすることも多いようである。コミュニケーション能力もスキルの一要素である。

しかし、このコミュニケーションの能力に評点をつける方法はなかなかない。実際に心理検査などをしてみても、質問紙法では、人は自尊心などから無意識的によい方に書いてしまうことが多い。聞き取りなどをしても、部下は上司の機嫌を慮ってはっきりとものを言えないこともある。実際に人事の担当者が職場を見て、観察することが一番正確なのである。実際には、時間や経費の問題で困難である場合が多い。

通信教育や社会人講座で、心理学を学ぶ管理職が多くなった背景には、過労死、パワハラ、セクハラ、出社拒否、鬱ほかの精神疾患という問題がどこの職場でも起こりうるというはっきりとした危機感があるためである。

病んだ構成員は、その組織が病み始めていることを知らせる一つの指標である。こういった難しい問題を抱えた部下の変化にいち早く気づき、最小の被害で進行をとどめることが、結果的に組織の維持につながると言っても過言ではない。カウンセリングの技法には交流分析、箱庭療法、傾聴など、様々な手法がある。

筋肉や神経をリラックスさせ、緊張を解きほぐすことで心身の状態を制御する動作法、自律訓練法などの技能も身に着けていると役に立つこともあるであろう。実際に研修でこれらの方法を学ぶ機会のある企業も徐々に増えている。