組織の型とモラル(士気)

良いリーダーの育て方(西洋編)

歴史上を鑑みると、リーダーの手本として見習うべき人は多くいる。西洋でメジャーな人物は鉄血宰相ビスマルク(プロイセン)ラ・ピュセル(百年戦争でイギリス軍の包囲からフランスを救ったジャンヌダルクのこと。

ピュセルは一般名詞で、それに冠詞が付くと、フランスではジャンヌダルクを意味する)その前時代にイギリスを束ね、ガーター騎士団の基礎を作ったエドワード3世とその子息黒太子エドワードなど、枚挙にいとまがない。

日本でも有名な人物にカルタゴの猛将ハンニバルがいるが、彼を討ち破った大スキピオのことは意外と知られていない。しかし、スキピオの用兵法はいまだ各地の陸軍士官学校で教えられるほどのものである。

アフリカを征服せしもの、アフリカヌスという称号を得た彼の人生は、企業のトップにも多くの示唆を与えるであろう。彼を有名にしたのはハンニバルを打ち破ったザマ(BC202)の戦いであるが、17歳の時から第二次ポエニ戦争に従軍し、ローマ軍がハンニバルによって惨敗するのを経験した大スキピオはハンニバルの用兵をつぶさに見ていた。そして、彼の用兵をそのまま踏襲しハンニバルを打ち破ったのである。

敵に学んだ戦術であった。ギリシアに傾倒し、周囲に理解され辛かった大スキピオだが、行うべきことは権力の中枢を敵に回してでも完遂した。無敗の将軍、また寛容な将として今も名が残っている。戦術の師とも謳われるハンニバルとの会談は有名だ。

スキピオは敵でありながらハンニバルを敬っていたようである。人格的にも秀でていたらしく、中世の徳目の教材に慎ましい生活や、高位を蹴った謙虚さなどが挙げられている。ただし、政治能力は皆無に近く、政敵のために失脚したため、後半はあまり評価が高くない。

彼から学ぶことは、もう一つ、敵はできるだけ減らしておけということだろうか。