組織の型とモラル(士気)

士気向上のための手立て

組織の形態とそこに働く心理をまなぶのが組織心理学である。社会心理学の一つの要素で、企業、学校、サークルなどが対象になる。モラールmorale、士気の向上要素を研究した実験としては1920年代から始まった米のホーソン工場実験が有名である。生産性を主眼とし、長期にわたって調査を行ったこの実験では、職場の人間関係など、目に見えない結びつきが生産性の向上につながることが分かった。社員自身が満足していることが集団の労働意欲に大きく影響していたのである。

モラール・サーベイ(士気程度の把握をする研究、調査)の結果を汲んで、朝礼、社員の希望を聞いた異勤、職務時間の調整、親睦会などを取り入れて成果をあげている企業は多い。親睦会、例えば忘年会、新年会、社員旅行などは、緊迫した職務の空気から解放されて、社員同士が交流する機会であり、縦横にかたまりがちな部署内の人間関係を循環させ、和らげる役目をする。

人は自分と同じ行動をとる人物に親近感を覚えるので、同じものを飲んだり食べたりすることは社員の帰属意識を高めるのに好適な行動の一つである。古典的な言い回しではあるが「同じ釜の飯食った仲」といえよう。反面、日本では、こういった席に酒はつきものであり、酩酊から日頃の不満が噴出し、取り返しのつかない事態に陥ることもある。組織にストレスがかかっている時はその傾向が強く、ガス抜きのつもりが逆効果になることもあるのでもろ刃の剣といえる。

社員研修で教わることの筆頭格はお茶の入れ方であるが、企業によっては、上司が率先してコーヒー、緑茶などを淹れて部下にふるまうこともある。コーヒーとチョコレートのひと欠けでも「同じ釜」毎日繰り返せば、帰属意識は高まるのである。