マナーとホスピタリティを維持するために

正しい敬語の使い方

新入社員や、中途採用者の教育について気を配らなければならないことの一つに、丁寧語、尊敬語、謙譲語の使い分けをきちんと覚えてもらうことが挙げられる。若いから、人に会わない技術職だからと、間違った使い方を赦しておくと、彼ないし彼女が昇進などをして、対外の折衝にあたった時に、思わぬ大恥をかくことになる。一度ついた言葉の癖はなかなか直らない。年齢や、役職が上がれば上がるほど、周りも口を出しづらくなる。気軽に注意をしやすいうちに叩き込んでおくことが必要なのである。

「です、ます」に代表される丁寧語、直接的に相手を高める尊敬語、間接的にへりくだることで相手を高める謙譲語の違いは、学校でも習うが、立場の違いによって、相手を貶めたことになってしまう言葉の使い分けは難しい。有名なものは、「ご苦労様」だ。これは、本来は自分のために相手が骨を折ったことをねぎらう言葉で、目下に使う。上司には「お疲れ様(でございます)」が適当である。

私達の普段使っている語尾にも、立場の違いが現れる。「おはようございます」「ありがとうございます」などの「ございます」は基本的に使用人の言葉。良家の出身でプライドの高い人は、決して使わない。様々な言い換えをするのである。彼らの言い換えは語彙が豊富で、耳に快いものが多い。

「ご機嫌宜しゅう(お早い御着きでいらっしゃること)」「恐れ入ります(お気にかけて頂いて嬉しいわ)」中には「お初に御目文字します」「おそもじのお出ましね」などの女性しか使わない女房言葉もある。接待などで精神的に相手の下に立ちたくない時は、あえて「ございます」を使わないことで、その意を示すことができる。よく似た印象の言葉は、「いたりませんで」自分のミスではない過誤が起きた時に、つかえる一語だ。