マナーとホスピタリティを維持するために

接遇について

接遇とは、態度的サービスの一つで、もてなし、あしらいを意味する。立ち方、手の組み方、相槌、物の扱い、顧客といるときにとるすべての態度が接遇であると言って過言ではない。対象者は顧客ばかりではなく、近隣住民、同僚にも及ぶ。マナー、ホスピタリティと同義として扱われることも多いが、マナーはどちらかというと、社会的な常識であり、義務であるのに対し、ホスピタリティ、接遇は相手を積極的に喜ばせようという気持ちがなければならない。

接遇面でよく言われることは、いろいろあるが、第一は手の扱い。表情と並んで、手の動きは第二の言語であるからだ。ポケットに手を突っ込むなどは論外で、指先は必ず相手の目に見えるところに出す。金銭の拝受や物品の手渡しは両手で行うなど、細やかな気遣いが必要だ。片手で扱う行動は、物をぞんざいに扱っているように見え、差し出された相手は、気を悪くする。

何か行動を起こす前には、「失礼いたします」「少々お待ちくださいませ」等、前置きをしてから、動く。これは自分の動きで相手を驚かせないためである。

茶道の気配りは、この接遇によく通じるところがある。亭主は客が茶席を楽しめるように、気を配るし、客は亭主が心置きなく茶を点てられるように配慮する。話題選びもその一つである。

曰く「自分の仏、他人の宝、天下の戦、人の良しあし」。これらは茶席で出してはいけない話題の例である。宗教、人の財産、政治、人物評は好みや意見が分かれやすい。争いにせぬために控えよという教えで、ある。この機微は客商売の会話にも参考になるのではないか。